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設計ガイド

プロジェクトを 1 つ作るということは、業務の進め方を 1 つ決めることです。このガイドでは、業務として何を決め、それをどう工程に分け、それぞれの工程に何を任せるかを決めるための選択肢と基準を扱います。

工程や Agent が何なのかはプロジェクトと工程にあります。先に読んでおくと、ここでの判断が速くなります。

画面上の場所がある節では、そこで決めたことをどこで設定・確認するかを終わりに書いてあります。工程と Agent の設定は、プロジェクトの画面の上部にある 編集 から開く画面で行います(オーナーだけに出ます)。この画面は、左に「編集ツール」(工程や Agent の追加)と一覧(エージェント/工程)、中央に全体の図(「編集キャンバス」)、右に選んだものの設定(「プロパティ」)が並びます。以下の「画面上の場所」で「編集 > …」と書いてあるのは、この画面のことです。中央の図は「表示の大きさ」で縮められ、空いている所をマウスで押したまま動かすと、見る場所を動かせます。

業務として決めること​

型・工程・Agent を決める前に、業務として 4 つを決めます。

  • どこまで任せるか。 手がかりは 3 つです。間違えたときに戻せるか——戻せない操作(外部への書き込みなど)の前には、確認工程を置くか、実行ルールで禁じます(確認ガイド)。判断の基準を文章にできるか——Agent に判断させる基準は、ゴールや Skill に書きます。文章にできない判断は人に残します。必要な情報に手が届くか——要る情報とつなぐ先を洗い出し、使えるかを作り始める前に確かめます(連携ガイド)
  • 何ができたら終わりか。 業務としての終わりを先に決め、各 Agent のゴール(後の節)と、確認担当者が進めるかを決める基準に落とします。実行の結果の読み方は記録と指標にあります
  • どこでプロジェクトを分けるか。 見せてよい相手、使う認証、許す操作、混ぜたくないプロジェクトの記憶のどれかが違う業務は、プロジェクトを分けます。何がプロジェクトごとに決まるかはプロジェクトと工程にあります
  • 結果をどこへ届けるか。 人が受け取るなら、ワークフローの最後に確認工程を置きます(確認ガイド)。業務のシステムに戻すなら、書き先を連携先に加え、何をどこへどう書くかを Agent のゴールに書きます。外部 API で始める場合も同じです(起動ガイド)

申請処理なら、「内容を確かめる」は任せ、「登録して返す」の前で人が承認します。終わりは「記載と添付がそろい、要件に合うことが確かめられ、登録されて申請者に結果が返っている」です。申請を受け付けるシステムが部署ごとに違うなら、プロジェクトを分けます。

型を選ぶ​

最初に決めるのは型です。後から変えられません。

サイクルワークフロー
終わり方開始も終了もなく、続く開始から終了へ、工程を順に進む
動き方配置ごとに、それぞれの周期で動く1 件の実行が工程を順に進む
始め方配置ごとの周期、Webhook、またはメール手動、時間、API、またはメール

基準は「終わりがあるか」です。

1 件ごとに始まって終わるなら、ワークフローです。始まりと終わりがあるので、1 件ごとに結果を追えます。確認工程で実行そのものを確実に止められるのも、ワークフローだけです(サイクルは対象ごとに保留します)。

終わりがなく、動き続けるならサイクルです。配置がそれぞれの周期で動き、全体の始まりも終わりもありません。

どちらが向くかは、入口の「向く仕事の例」も合わせて見てください。

型によって、このあとの節のうち効くものが変わります。工程を順に進める前提の設定(うまくいかなかったときの動き)はワークフローだけのものです。

画面上の場所 プロジェクトを作るとき > 種別

工程に分ける​

工程の分け方は、型によって考え方から違います。

ワークフローサイクル
向く仕事1 件を受けて、決まった順に処理して仕上げる対象を自分で探し続け、必要な仕事をする
進み方工程の並びが順序。前の工程が終わってから次へ進む配置がそれぞれの周期で独立に動く。並びは順序にならない
段階のつなぎ方基盤が受け渡す共通の記録に残した状態で、次が拾う
人の判断1 件の実行そのものを、確認工程で確実に止める対象ごとに保留する。ほかの巡回は続く

工程を指定せずにプロジェクトを作ると、ワークフローでは 実行 → 人の確認 → 実行、サイクルでは 実行 → 実行 が用意されます。サイクルに確認工程は置けないためです。AI(α版)に下書きを作らせた場合や、ほかのプロジェクトからコピーした場合は、その内容の工程になります。

工程の名前に、製品側の決まりはありません。 業務に合う名前を付けてください。名前によって進み方が変わることはありませんが、工程名は Agent に渡される文脈と記録に使われます。工程の数には上限があります(設定値リファレンス)。

仕事の量で工程数を決める基準はありません。 これは型に関係なく同じです。1 回の実行で安定して終わらないときは、ゴールで 1 回に扱う対象を絞るか、Agent や配置を分けます。工程を増やすことが解決になるとは限りません。

ワークフローで分けるとき​

ワークフローは、1 件の仕事を受けて仕上げる型です。工程の並びがそのまま処理の順序になり、前の工程が終わってから次へ進みます。

たとえば、届いた申請を 1 件ずつ処理して返すワークフローを考えます。

  1. 内容を確かめる — 申請の記載と添付がそろっているか見る
  2. 人が承認する — 担当者が内容を見て、進めるか差し戻すかを決める
  3. 登録して返す — 承認されたものを登録し、申請者に結果を返す

1 件が 1 → 2 → 3 と進み、終わります。 2 で差し戻されれば 1 に戻り、やり直しになります。

分けるのは、進行を区切りたいところです。 この例では「人が承認する」の前後が区切りになります。区切ると、その切れ目に次のことを置けます。

  • 人の判断を挟む → 確認工程を置きます。実行はそこでいったん止まり、そのあとは担当者の決定か、期限を過ぎたときの設定に従って進みます(確認ガイド)
  • 差し戻しの戻り先にする → やり直しをどこから始めるかを、工程の単位で指定します(確認ガイド)
  • 進む先を人に選ばせる → 確認工程に「行き先の候補」を置くと、担当者が後ろの工程から行き先を選んで進めます(確認ガイド)
  • 時刻を待たせる → 工程に時刻を持たせられます。指定しなければ前の工程が終わり次第すぐ動きます(起動ガイド)
  • うまくいかなかったときの動きを変える → 工程ごとに選べます(後の節)
  • 一時的に実行対象から外す → 工程は 1 つずつ有効・無効にできます。無効な工程は止まるのではなく、飛ばして次へ進みます

担当を分けるときは、結果を受け渡すかで決めます。 1 つの工程に複数の Agent を置けますが、同じ工程の Agent どうしでは出力を受け渡しません。前の Agent の結果を受けて続きをさせたいなら、工程を分けます。互いの結果を使わない仕事なら、1 つの工程にまとめられます。失敗したときの動きも変わります(やり直しの回数は、工程に置いた Agent ごとに数えます)。何体置くかは後の節で扱います。

1 件の流れを途中で分けることもできます。 工程の後ろから「ここから分岐する」と、そこから 2〜11 本のレーンに分かれて同時に進み、全レーンが終わってから合流します。申請処理なら、「内容を確かめる」のあとで「記載を確かめる」と「添付を確かめる」を別のレーンで進め、両方がそろってから「人が承認する」へ進める、といった形です。

  • 分岐は 1 か所だけです。 レーンの中でさらに分かれることはできません
  • レーンの中の工程は、上から順に進みます。 レーンどうしは互いを待ちません。レーンの中で確認を待つときも、止まるのはそのレーンだけで、ほかのレーンは進み、合流で待ちます
  • 分岐元の工程は「同時に実行」にできません
  • 差し戻しの戻り先と、後の節の行き先は、同じレーンの工程から選びます。 レーンの外では、分岐の前どうし、合流のあとどうしで選びます

サイクルで分けるとき​

サイクルは、対象を自分で探し続ける型です。Agent はそれぞれの契機で独立に起動し、ほかの工程が終わるのを待ちません。だから 1 つが止まっても、残りは動き続けます。対象が無ければ、その回は何もせずに終え、次の周期でまた探します。

段階が 1 つでも構いません。 決まった間隔で見に行き、必要があれば手を打つ——それだけなら段階を分ける必要はありません。工程を指定せずに作ると 2 つ用意され、削除して 2 つ未満にはできないので、使わない工程は無効にしておけます。

サイクルの工程は、担当の分類です。 図に円で並びますが、番号も矢印もつかず、並べ替えもありません。順に進めたいなら、それはワークフローの型です。

たとえば、届いた問い合わせに一次対応するサイクルを考えます。

  • 見つける — 新しく届いた問い合わせを探す
  • 振り分ける — 内容を見て、定型で返せるものと人が見るものに分ける
  • 下書きを作る — 定型のものに返信の下書きを用意する
  • 確かめる — 送る前に、下書きが内容に合っているか見る

問い合わせは次々届くので、終わりがありません。 それぞれの段階が自分の間隔で回り続けます。

分けるのは、対象の扱いが変わるところです。 この例では、段階ごとに拾うものが違います。「見つける」は未処理のもの、「振り分ける」は見つけ終わったもの、「下書きを作る」は定型と判断されたもの——というように、前の段階が残した状態で次の対象が決まります。 そこが段階の境目です。

段階を分けたら、それぞれの起動時刻をずらします。 全部を同じ時刻にすると、前の段階の結果がまだ無いうちに動いて空振りすることがあります。時刻をずらすと、動く機会に前後がつきます(起動ガイド)。ただし前の段階が終わっていることは保証されません。何を拾うかは時刻ではなく、記録先の目印で決めます(次の節)。周期は工程ではなく、工程に置いた配置ごとに決まります。

同じ段階を担う Agent は、周期が違っても 1 つの工程にまとめられます。 何体置くか、同じ Agent をどう扱うかは後の節で扱います。

サイクルで段階をつなぐとき​

サイクルの段階は待ち合わせないので、受け渡しは共通の記録で表します。 次の 2 つを組み合わせます。

  • 共通の記録先 — 連携先に「台帳として使う」を付けます(連携ガイド)
  • 読み書きの決まり — 対象の選び方と更新のしかたを、各 Agent のゴールや Skill に定めます

「台帳として使う」を付けただけでは、読み書きは起きません。 前の段落で決めた記録先に、段階ごとに目印を付け替えていく形にします。前の節の問い合わせ対応なら、こうなります。

  • 見つける の Agent — 拾った問い合わせに「確認中」の目印を付ける
  • 振り分ける の Agent — 「確認中」のものだけを見て、「定型」か「人が見る」に付け替える
  • 下書きを作る の Agent — 「定型」のものだけを扱い、終えたら「下書き済み」に付け替える
  • 確かめる の Agent — 「下書き済み」のものだけを見て、問題がなければ「確認済み」に付け替える

それぞれの Agent のゴールに「何を拾うか」と「終えたらどう付け替えるか」を書きます。 目印は記録先で扱える形にします(表の列でも、ラベルでも構いません)。こうすると、記録先が段階の間の受け渡し役になります。

同じ Agent が繰り返し動くときも、同じ作りで表します。 基盤は「もう済ませた対象の一覧」を持ちません。 ですから「まだ確認していないもの」「しばらく見ていないもの」のように前回との差で対象を選ぶゴールだけでは、毎回同じ対象を拾うことがあります。済んだ対象に目印を残し、その目印が付いたものを次の周期では扱わない——というように、前回との差も記録先で表してください。

人の判断も、同じ作りで表します。 Agent のゴールに「人に判断してもらう」という選択肢を持たせ、そのときは別の印を残させます。その印が付いた対象を扱わないよう、ほかの Agent のゴールに書いておけば、その対象だけを人の判断待ちにできます。ほかの対象の巡回は止まりません。人が外で判断して印を変えれば、また流れ始めます。

ワークフローとの違いはここです。ワークフローは 1 件の実行そのものを確実に止め、サイクルは対象ごとに保留します。 確実に止めたいのが実行全体なら、ワークフローを選んでください。指示で作る保留は基盤が保証するものではないので、外さないことが絶対の条件なら、連携先や API 側の仕組みを使ってください。

サイクルに確認工程は置けない

サイクルでは確認工程を追加できません。人の判断は、上に書いた目印の付け替えで挟みます。

画面上の場所 編集 > 左の「編集ツール」>「工程追加」(ワークフローでは続けて「通常工程」を選びます)。ワークフローでは、中央の図の工程の間の「+」>「Agentが実行」でも足せます。1 つ 1 つの設定は中央の図で工程を選ぶと右に出ます。ワークフローでは中央の図で並べ替えられます(サイクルに並べ替えはありません)。共通の記録先は 設定 タブ >「連携先」> 対象の連携先 >「台帳」の切り替え。分岐は、中央の図で工程を右クリック >「ここから分岐する」。レーンの追加・分岐をやめるは、図の分岐の枠にあります。工程をほかのレーンへ移すのは、右の「工程の設定」(確認工程では「確認の設定」)>「起動条件」>「所属レーン」

Agent に何を持たせるか​

入力が必須なのは、名前とゴール(指示)の 2 つだけです。 ガードレール・Playbook・Skill は、必要なものだけ足します。

最初にゴールを決める​

ゴールには、何を対象に、何をして、どの状態まで仕上げるかを書きます。ここが Agent の中心です。

ただし、ゴールを書くだけで外部の情報に手が届くようになるわけではありません。 とくにサイクルでは、仕事をどこから見つけるかをゴールに書き、必要なサービスをプロジェクトの連携先に加えます(連携ガイド)。前の節の問い合わせ対応なら、「連携先から未処理の問い合わせを探す」ところまでゴールに書きます。

外部に書き込む Agent には、書く前に、すでに書いてあるかを確かめることも書きます。 同じ Agent がもう一度動くことがあるためです(ワークフローは後の節、サイクルは前の節)。申請処理の「登録して返す」なら、「同じ申請がすでに登録されていれば、登録し直さない」と書きます。

管理画面の「ガードレール設定」で「個人情報のマスキング」を有効にしていれば、工程の指示も、会話と同じく、個人情報を伏せてから Agent に渡します。 ゴール、前の工程の出力、確認者のコメントや差し戻しの理由、受け取ったメールの件名・本文や Webhook の本文が入ります。

必要なものだけ足す​

  • 避けてほしい振る舞いがあるなら、ガードレール。 問い合わせ対応なら「返信を自分で送信しない」「金額や契約の条件には触れない」など。「これはしない」をゴールに混ぜると、やることの説明が読みにくくなります。ただしガードレールは Agent への指示です。書いただけでは操作を確実に止められません。 確実に止めたい操作は実行ルールで決めます(実行ルールガイド)
  • 繰り返し使う一連の段取りがあるなら、Playbook。 「下書きを作る」Agent に「過去の似た問い合わせを探す → 回答の型を選ぶ → 下書きを書く → 根拠として参照した記事を添える」のように、毎回同じ段取りを踏ませたいとき。各ステップの目的・ガイダンス・成功条件を書いておくと、Agent がそれに沿って進めます。ただし書いた手順がそのまま繰り返されるわけではありません。 Agent は依頼の内容に応じて手順を調整します。ワークフローで順序を守らせたいときは、Playbook ではなく工程を分けて表現してください
  • 個別の作業のやり方を持たせるなら、Skill。 たとえば「問い合わせをどう分類するか」を Skill にします。自社の製品名と分類の対応表、判断に迷ったときの優先順位、過去に誤分類した例——といった組織ごとに決まっているやり方を書いておくと、「振り分ける」Agent がそれに従います。ゴールに毎回書く代わりに切り出しておけば、複数の Agent で同じ基準を使えます。ほかに「返信の書式」「エスカレーションの判断基準」なども Skill 向きです。Skill は外部サービスへの権限を与えるものではありません(つなぐ先は連携先で決めます)。サイクルでは、Agent が何を仕事として見つけるかがゴールと Skill と連携先で決まります

ほかに説明や入力ファイルも足せます。項目の一覧は設定値リファレンスにあります。

Agent はプロジェクトをまたいで共有されます

Agent の設定を変えると、その Agent を使っているすべてのプロジェクトに及びます。 1 つのプロジェクトのために少し変えたつもりでも、ほかのプロジェクトの動きも変わります。プロジェクトごとに違う動きをさせたいなら、Agent を分けてください。

担当を引き継ぐなら、後任が持ち主の Agent を用意して置き換えます(Agent の持ち主とプロジェクトのオーナーの違いは誰が何を決められるか)。

画面上の場所 編集 > 中央の図で対象の工程に置かれた Agent を選び、右の「工程のAgent」>「基本設定」>「Agent を編集」>「ゴール (指示)」。「Agent を編集」は、その Agent の所有者にだけ出ます

Agent を工程に置く​

Agent を工程に置いたもの 1 つ 1 つが配置です。実行は配置の単位で動きます。

1 つの工程に何体置くか​

1 体で任せきれるなら、1 体のままで構いません。 複数置くと、型ごとに次のことができます。

ワークフローで複数置くと、同じ工程で別々の仕事を任せられます。 既定では配置順に 1 体ずつ動きます。工程を「同時に実行」にすると同時に動きます。互いの結果を待たない仕事に向きます。どちらでも、同じ工程の Agent どうしでは出力を受け渡しません。どの Agent も、前の工程の出力を受けて自分の仕事をします。申請処理の「内容を確かめる」工程なら、記載漏れを探す Agent と、申請の要件に照らして確かめる Agent を並べられます。置いたすべての Agent が終わると次の工程へ進み、次の工程には全員の出力が渡ります。ある Agent の結果を受けて別の Agent に続きをさせたいなら、工程を分けてください(次の節)。

「同時に実行」の工程で、結果が「ルールにより実行不可」「失敗 (Agent の報告)」になった Agent は、その Agent ごとに「結果の扱い」に従います(後の節)。確認を求めるなら、その Agent ごとに確認依頼が作られ、ほかの Agent は動き続けます。全員の結果がそろうまで次の工程へは進みません。Agent によって進む先が分かれたときは、どこへ進めるかを選ぶ確認依頼が作られます。この工程の確認依頼で差し戻すと、ほかの Agent を待たずに戻り先からやり直します。そのとき動いていたほかの Agent の結果や、同じ回のほかの確認依頼の決定は、記録には残りますが、先へ進むのには使われません。

サイクルで複数置くと、同じ段階を、対象や探し方の違う巡回に分けられます。 それぞれの配置が互いを待たずに動きます。問い合わせ対応の「見つける」工程なら、メールから未対応のものを探す Agent と、フォームから未対応のものを探す Agent を並べられます。ただし複数置いただけでは、対象の分担も重複の防止も決まりません。 どちらがどれを扱うかは、共通の記録先と各 Agent のゴールで決めます(前の節)。

ワークフローで何が引き継がれるか​

ワークフローで自動的に引き継がれるのは、前の工程の Agent 全員の出力と、それぞれが作ったファイルです。 ファイルは、ライブラリに保存されたものが次の工程の Agent の入力ファイルとして渡ります。前の工程に Agent が複数いれば、出力は Agent ごとに並んで渡ります。

注意する点が 3 つあります。

  • 同じ工程の Agent どうしでは引き継がれません。 1 つの工程に 2 体並べても、2 体目に 1 体目の出力や新しく作ったファイルは届きません。どちらにも、前の工程のぶんが届きます。ただし配置順に動かすときは、前の工程から受け取ったファイルを 1 体目が書き換えると、同じファイルなので、2 体目は書き換えた後のものを読みます。「同時に実行」の工程やレーンにも同じファイルが渡るので、同じファイルを同時に書き換えさせないでください
  • 引き継がれるのは、直前に Agent が動いた工程のぶんだけです。 確認工程は飛ばして、その前の工程のぶんが届きます。2 つ以上前の工程のぶんは、自動では引き継がれません。レーンでは、レーンの最初の工程に、分岐の前で最後に Agent が動いた工程のぶんが届きます。合流のあとの最初の Agent の工程には、各レーンの最後のぶん(出力とファイル)が届きます。いくつかの出力が届くときは、それぞれにレーン名と工程名が付きます(出力が 1 つだけのときと、ファイルには付きません)
  • それまでのやりとりは引き継がれません。 Agent が調べた途中の内容は渡りません

ですから、後の工程の Agent が 2 つ以上前の工程の成果を見る必要があるなら、共通の記録先に保存させてください(連携ガイド)。前の工程の出力とファイルだけを手掛かりに続きを始められるなら、そのまま並べて構いません。

サイクルには、この自動の引き継ぎがありません。 段階のつなぎ方は前の節のとおり、共通の記録先で表します。

同じ Agent を複数の工程に置くとき​

同じ Agent を複数の工程に置けます。 Agent は使い回す設定なので、置いた数だけ配置ができます。

  • ワークフローで同じ Agent を続く工程に置いても、工程ごとに動きます。 後の工程では、ほかの工程と同じく、前の工程の出力と、作ってライブラリに保存したファイルを受け取ります(プロジェクトと工程)
  • サイクルで同じ Agent を 2 つの周期で動かすなら、工程を分けます。 1 つの工程に同じ Agent を 2 回置くことはできません

サイクルの周期は、Agent ではなく配置が持ちます。設定は起動ガイドで扱います。

画面上の場所 編集 > 左の一覧の「エージェント」から中央の図へ置く。または中央の図で工程を選び、右の「工程の設定」>「Agentを追加」(ワークフローでは「基本設定」タブの中)。外すときは、同じ一覧の ×(「工程から削除」)か、置いた Agent を選んだときの右の欄の下にある「工程から削除」。同時に動かすときは、中央の図で工程を選び、右の「工程の設定」>「起動条件」>「同時に実行」(Agent を 2 体以上置くと切り替えられます)。読む会社の記憶は、置いた Agent を選んだときの右の「工程のAgent」>「基本設定」>「会社の記憶」。「記憶の設定を保存」で下書きとは別にその場で保存され、次の実行から使われます(下書きを破棄しても戻りません)

うまくいかなかったときどうするか(ワークフロー)​

工程には、想定どおりに終わらなかったときの動きを 2 つ設定できます。どちらも工程ごとに選べます。どちらもワークフローで効くものです。 サイクルは工程を順に進めないので、この 2 つは使いません。

「ルールにより実行できない場合」は、「確認を求める (確認待ち)」「失敗として閉じる」「指定した工程へ進む」から選びます。基盤が実行そのものを禁じたときです。

  • 確認を求める (確認待ち) — その場で処理を止め、確認依頼を作ってオーナーに渡します(この工程には確認担当者を指名する欄が無いので、その時点のオーナー全員が担当者になります。ただし、確認工程から「Agentが実行」に切り替えた工程で、確認工程のときに指名した担当者が今もメンバーなら、その人が担当者になります)。実行は確認待ちになり、担当者の決定か、期限を過ぎたときの設定に従って進みます(確認ガイド)
  • 失敗として閉じる — 実行そのものを終了します。確認依頼は作られず、後続の Agent や工程は動きません
  • 指定した工程へ進む — 確認依頼を作らず、「行き先の工程」に選んだ後ろの工程へ進みます。間の工程は実行されません(実行記録には「分岐の対象外」と出ます)。配置順に動かす工程では、同じ工程のまだ動いていない Agent は動きません。「同時に実行」の工程では、ほかの Agent はもう動いているので止めず、結果がそろってから行き先を決めます。行き先の工程には、行き先へ進むきっかけになった Agent の出力とファイルは渡りません。行き先の工程を実行の始まる前に無効にしていたときは、「確認を求める」と同じになります

既定は確認を求めるほうです。設定を見直せば通るようになる見込みがあるなら確認、そうでなければ閉じる、が目安です。実行ルール自体は実行ルールガイドで扱います。

「Agent の報告による失敗のとき」は、「確認を求める」「そのまま進める」「指定した工程へ進む」から選びます。Agent が自分で「完遂できなかった」と報告したか、最後の結果でそう示した場合です。

  • 確認を求める — 上と同じで、確認依頼を作ってオーナーに渡します。実行は確認待ちになります
  • そのまま進める — 確認依頼を作らず、同じ工程に次の Agent がいればその Agent へ、いなければ次の工程へ進みます(「同時に実行」の工程では、ほかの Agent の結果がそろってから次の工程へ進みます)
  • 指定した工程へ進む — 上と同じです

こちらも既定は確認を求めるほうです。

「そのまま進める」を選ぶのは、後の工程の Agent が、この Agent の出力を使わないときです。その出力を受けて続きをするなら、止めて確認するほうが安全です。なお、対象が無くて実行が起動しなかったときは、この設定に関係なく次へ進みます。

どちらの場合も、自動でやり直すことはありません。 もう一度動かすと外部に二重に書き込んでしまうおそれがあるためです。やり直すかどうかは、状況を確かめて人が決めます。

一方、基盤側の失敗(実行環境の異常や時間切れ)は自動でやり直します。 回数の上限はプロジェクトごとに決め、工程に置いた Agent ごとに、その工程に入るたびに数えます(差し戻しでもう一度その工程に来たときは、数え直します)。上限を超えると、その実行は失敗として終わります(値の範囲は設定値リファレンス)。やり直したときは、実行記録に「試行 2 回目」と出ます。 やり直しは止まったところから続くのではなく、その工程の Agent がもう一度最初から動きます。

立て直すときは、新しく実行を始めるか、確認待ちなら差し戻しで途中の工程からやり直すかを決めます。 その前に確かめることは記録ガイド、すでにした操作の扱いは確認ガイドにあります。

画面上の場所 編集 > 中央の図で対象の工程を選び、右の「工程の設定」>「起動条件」>「結果の扱い」。やり直しの回数は 設定 タブ >「実行ルール」>「実行」>「工程ごとの再試行回数 (失敗・時間切れ)」

公開と再利用​

Playbook、Skill、Agent、プロジェクトは、それぞれ公開できます。再利用のしかたは違います。

公開されたものの使い方作者があとで直したとき
Skillそのまま使える「最新の版に追随」なら及びます。版を固定していれば及びません
Playbook自分用にコピーしてから使うコピーには及びません
Agent工程に置くと自分用にコピーされるコピーには及びません

公開 Agent は、工程に置いた時点で自分用にコピーされます。 置いたあとは自分のものなので編集できますが、作者がその後に直した内容は入ってきません。取り込みたいときは置き直します。

Playbook は、Agent に付ける選択肢に自分の Playbook しか出ません。公開されたものを使うには、先に自分用にコピーします。

Skill だけは、公開されたものをそのまま使い、作者の更新も入ってきます。 ほかの 2 つとは性質が違うので注意してください。作者が直すと新しい版になり、Agent で「最新の版に追随」にしていれば次の実行から新しい版を使います。入ってきてほしくないときは、Agent で使う版を固定します。

プロジェクトを公開すると、ほかの利用者がその工程と Agent をコピーして使えるようになります。実行記録と台帳は公開されません。

コピーしたプロジェクトでは、次のものを確かめてください。

  • 連携先 — 一覧は引き継がれます(「台帳」の指定も)。接続(認証)は引き継がれないので、コピーしたプロジェクトで接続し直します
  • Playbook・Skill・入力ファイル — ほかの人の Agent が使う Playbook と Skill は、自分のライブラリに複製されて付きます(自分の Skill と、公開されていて有効な Skill は、そのまま使います)。入力ファイルは、自分のライブラリに無いものだけが外れます
  • 確認の設定・工程の時刻・失敗時の設定 — コピーされません。工程そのものと差し戻し先は引き継がれます(「同時に実行」とレーンも)
  • 起動設定 — 時間トリガーはコピーされますが無効の状態で来ます。サイクルの巡回の周期はコピーされません。メールで起動の設定(宛先・許可するメールアドレス・サイクルで起動する配置)もコピーされません。コピーしたプロジェクトで有効にすると、そのプロジェクトの宛先ができます
  • 所属組織・会社の記憶の選択 — コピーされません。所属組織は、要るならコピーしたプロジェクトで付けます。会社の記憶は Agent ごとに選び直します

自分のプロジェクトを複製しても、Agent は分かれません。 自分の Agent は、複製したプロジェクトにも同じものが置かれます。複製したほうで Agent を直すと、元のプロジェクトも変わります。

下書きを確かめて反映する​

工程と配置の変更は、「会社の記憶」の設定を除いて、下書きとして溜まります。反映するまでプロジェクトは変わりません。 反映した設定が効くのは次の実行からで、動いている実行には影響しません。

下書きはそのブラウザに残ります。次に開いたときに続きから編集できますが、別のブラウザや端末には引き継がれません。

反映する前に設定を検証できます。検証は下書きを含めて確認し、保存も外部サービスの実行もしません。検証で問題が出なかったからといって実行が成功するとは限りません。接続の認証と実行時の権限は、実行のときに確かめられます。

検証の結果は、編集画面に出ている「直す点」と同じ判定です。 有効な工程を種類ごとに見ます。Agent を置く工程では、Agent が置かれているかとその Agent にゴールが書かれているか。確認工程では、担当者がいるか(ワークフロー)。サイクルではさらに配置に巡回の周期があるかも見ます。周期を意図して止めているぶんは、直す点になりません。

反映は変更ごとに行われます。一部が反映できなかった場合、失敗した分は下書きに残り、最初の失敗の理由が出ます。直してからもう一度反映してください。工程の追加・削除・並べ替えや、Agent の追加・配置・取り外しが失敗して後ろの同じ種類の変更を止めたときは、「この変更を破棄」でその 1 件だけを下書きから外せます(元に戻せません)。

1 つ注意があります。Agent の設定は下書きに入りません。 Agent を編集して保存すると、その時点で保存されます。下書きを取り消しても、Agent の変更は戻りません。工程の並べ替えを取り消すつもりで、Agent の変更まで戻ると考えないでください。

Agent の変更を試すときは、新しい Agent を作って試します。 自分の Agent を複製する操作はないので、新しい Agent を作ってゴールや Skill を移し、試すプロジェクト(複製で作れます)に置いて確かめてから、元の Agent に反映します。変えた内容と日時は、自分で控えます。 記録 (証跡) に残る変更の範囲は記録リファレンスにあります。

設定 タブ >「基本情報」は、下書きを使わず、保存した時点で変わります。 編集を始めたあとに別の操作でプロジェクトが更新されていたら、保存のときに知らせが出るので、「最新を読み込む」か「入力した項目を残す」を選びます。入力した項目を残すと、自分が変えていない項目は最新の値になり、そのまま編集を続けられます。もう一度「保存」を押すと保存されます。

画面上の場所 編集 の上部 >「設定を検証」「変更を反映」

AI に下書きを作らせる​

AI で作る・相談する機能は α 版です。 画面の入口に「(α版)」と付いています。動きや画面は今後変わることがあります。AI が作ったものは、そのまま使わずに必ず確かめてください。

AI に下書きを作らせる方法は 2 つあります。プロジェクトを作るときに「どのように作りますか」で、「相談して作る」か「誘導で作る」を選びます(どちらも「α版」と付いています)。

相談しながら 1 つ作る​

やりたいことを書くと、AI が型・工程・Agent を決めて下書きを作ります。やりとりの中で質問が返ってくることもあります。すでに登録してある Playbook と Skill は、AI が候補から選んで付けます。名前しか分からないものは「未登録: …」と表示されるので、自分で付けてください。案の Agent には、付ける Skill と Playbook の名前が「Skill: …」「Playbook: …」で出ます。

内容を確かめて作成すると、その時点で保存されます。

質問に答えて作る​

「誘導で作る」を選ぶと、決まった質問に 1 問ずつ答えて、公式のひな形から始めます。答えている間は AI は動かず、プロジェクトも作られません。「分からないので次へ」が出る質問では、それで先へ進めます。何も選ばずに「次へ」を押せる質問では、選ばないまま先へ進めます。前の質問に戻って答えを直すこともできます。

答え終わると「おすすめの構成」が出ます。種別・工程・担当の Agent・起動・連携先が並び、この時点ではまだ保存されていません。「AIと仕上げる」を押すと、この構成をもとに AI と相談して仕上げます。内容を確かめて作成すると、その時点で保存されます。

ひな形が求める Skill と Playbook は、名前では付きません。「用意が要るもの」として出るので、付けるものは相談しながら作るときと同じように選ばれるか、自分で付けます。連携先はまだ接続されていません(「未設定」と出ます)。作成したあとに、プロジェクトの連携先で接続します。

工程の形が決まっているワークフローのひな形では、ワークフローのまま作る限り、工程の数と、Agent の工程・確認工程の並びはひな形のままになります。 AI との相談でこの数や並びが変わった案は、ひな形の工程に戻されます(画面にそう出ます)。変えたいときは、作成したあとに編集で変えます。相談でサイクルに変えると決めたときは、レーンや行き先などのひな形の形は外れます(画面にそう出ます)。

公式の質問とひな形が使えないときは、「誘導で作る」は今使えない、と出ます。

どちらの場合も確かめること​

時間トリガーが提案された場合、無効の状態で登録されます。 サイクルで周期が提案された場合は、プロジェクトが一時停止の状態で作られ、配置ごとの巡回はその周期で登録されます。再開すると巡回が始まります。どちらの経路でも同じです。内容を確かめてから、有効にするか再開してください(起動ガイド)。

できあがった配置を見て、1 つの工程に何体置かれたかを確かめてください。必要な数や配置になっていなければ、作成後に調整します。 担当の Agent がいない「Agentが実行」の工程には「担当なし」と出ます。作成後に Agent を置いてください。案の工程が 2 つに満たないとき(サイクルでは確認工程を除いて数えます)は、空の「Agentが実行」の工程が足されて 2 つになり、そのことが警告で知らされます。作成後に、足された工程の内容と担当を設定するか、置き換えてください。

作ったあとで AI に相談する​

作ったあとも、編集画面で AI に相談できます。 相談できるのは、プロジェクトの構成の見直しと、Agent の作成です。うまくいかなかったワークフローの工程の実行のうち対象になるものは、実行記録で改善案を相談できます(記録ガイド)。

ほかの人が持ち主の非公開の Agent については、AI に渡るのはゴール (指示) までです。 ガードレールと、付けている Skill・Playbook は AI から見えないので、相談の提案がそれを踏まえていないことがあります。必要なら持ち主に確かめてください。

提案を取り込むと、工程・配置・巡回の周期の変更は下書きに入ります。 反映するまでプロジェクトには入りません。Agent を作る・直す提案は、Agent の画面が開き、そこで保存したときに保存されます。 新しい Agent に置く工程があれば、その配置も下書きに入ります。

画面上の場所 プロジェクトを作るとき >「どのように作りますか」>「相談して作る」または「誘導で作る」。作成後は 編集 > 左の「編集ツール」>「AIに相談 (α版)」>「プロジェクトの構成を相談」または「Agentの作成を相談」

取り違えやすいところ​

ここまでの節をまたいで、区別しておく点をまとめます。

  • ガードレールで操作を止めたつもりになる。 ガードレールに「返信を自分で送信しない」と書いても、それは Agent への指示で、操作が止まる保証はありません。確実に止めたい操作は、実行ルールで禁止します(実行ルールガイド)
  • 1 つの Agent を直して、複数の業務を一度に壊す。 Agent の設定を変えると、その Agent を使っているすべてのプロジェクトに及びます。しかも Agent の変更は工程・周期の下書きとは別に保存され、下書きを破棄しても戻りません。プロジェクトごとに違う動きをさせたいなら、Agent を分けてください
  • プロジェクトを複製すれば Agent も分かれると思う。 自分の Agent は、複製したプロジェクトにも同じものが置かれます。 試すなら新しい Agent を作ります
  • サイクルで工程の並びを順序だと思う。 図で工程が並んでいても、サイクルではその並びは実行の順番ではなく、前の工程が終わるのも待ちません。段階をつなぐなら記録先の目印で表します。実行そのものを順に進めたいなら、ワークフローを選びます
  • 起動の設定を、作ったあとに確かめない。 AI(α版)が提案した時間トリガーは無効の状態で登録され、周期が提案されたサイクルは一時停止の状態で作られます。コピーでは、時間トリガーは無効になり、サイクルの巡回の周期は引き継がれません。動かしたいものが動くか、動かしたくないものが動かないかを、作ったあとに確かめてください(起動ガイド)

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